転職の際の応募書類として、履歴書と職務経歴書の提出を求められるケースはよくあります。自分自身の経歴をまとめる履歴書に対し、特に仕事に関する経験内容を具体的にアピールするための書類が職務経歴書です。
職務経歴書に決まったフォーマットはありませんが、目的がひとつである以上、何を書くかについても、ある程度基本の形は決まっています。そこから逸脱しすぎると、採用担当者に「読みづらい」と思われてしまうリスクが高まりますので、書き方の基本を押さえておきましょう。
■目次■
職務経歴書とは
職務経歴書とは、これまでの所属会社や経験してきた業務内容、スキルなどをまとめた書類です。
主に、転職の際、求職者が企業に対して経験をアピールするために作成します。中途採用時の応募書類として提出を義務付けていない企業もありますが、自己の能力やその活かし方を伝えるためには作成すべきといえるでしょう。
決まったフォーマットはなく、WordやExcelなどを使用して、A4サイズ1、2枚程度にまとめるのが一般的です。
履歴書で見られるポイント
✔ビジネスマナーに則った書類作成ができているか
✔学歴や職歴に矛盾がなく、一貫したキャリアを築けているか
✔転職回数や理由に問題はないか(組織への適応力があるか)
✔自社の業務に活かせるような経験や資格を保有しているか
✔自社を志望した動機は適切か、志望意欲はどの程度か
✔勤務場所や働き方などの希望が自社の希望とマッチしているか
職務経歴書で見られるポイント
✔これまでに経験した業務内容や勤めてきた企業・業種
✔本人が希望する業務内容と経験やスキルが合致しているか
✔自分自身の強みがどこにあるのかを理解できているか
✔自分自身のプレゼンテーションが効果的にできているか
✔前向きで説得力のある「転職を希望する理由」があるか
✔仕事に対して前向きに取り組める人材かどうか
職務経歴書の書き方のポイント
職務経歴書はパソコンで作成したほうが、見やすいケースが多い
一般的に履歴書は手書きが良いとされていますが、職務経歴書はパソコンで作成したほうが見やすくなるケースが多いです。職務経歴書はA4用紙2枚程度にわたる書類になるため、手書きでは読みづらい印象を与えてしまう可能性があります。
WordやExcelを使用すれば、デザインの調整も自由に行えますので、読みやすい職務経歴書に仕上げることができます。
過去の実績だけでなく、これからの展望も記述する
職務経歴書は、過去の職歴や実績だけを記入するイメージがありますが、それだけでは企業に熱意をアピールすることができません。
経験やスキルが応募先企業でどう活かせるのか、これからの展望も記述するようにしましょう。
退職理由については、ポジティブな内容を心掛ける
ネガティブになりがちな退職理由も、ポジティブに言い換えることで採用担当者の印象は良くなります。
人間関係が悪かったことが理由であれば、「チームワークを活かせる環境で働きたい」といったように、前向きな表現を心掛けてください。
読みやすいレイアウト、文字サイズを意識する
職務経歴書は読みやすさも重要です。
フォントや文字サイズ、紙面の上下左右の余白を調整することで、読みやすさは大きく変わります。
読み手を意識し、全体のバランスが良くなるように情報を盛り込む
新卒で入社した企業の職歴は詳しく書かれているのに、直近の職歴は1行のみでは、バランスが悪く採用担当者が疑問に思ってしまいます。
職務経歴書を作成するときには全体のバランスも意識して、各項目に情報を盛り込みましょう。
職務経歴書の各項目の書き方
日付・氏名・タイトル
タイトルは大きめのフォントで中央に記します。日付と氏名は右寄せで記載してください。日付は職務経歴書の提出日、郵送する場合は投函日を記します。和暦か西暦かは全体で統一しましょう。
職務要約
いつ、どこの企業で、どのような業務を行っていたのか、250文字程度までを目安にまとめます。最初に要約を記しておくことで、「この後に何が書いてあるのか」を理解してもらいやすくなります。
職務経歴(企業情報)
続く職歴の項目で説明する企業について、社名、規模、事業内容をまとめます。雇用形態についても書き添えておきましょう。
職務経歴詳細
「職務要約」で記した経験について、詳細を説明します。表や箇条書き、カギかっこなどを利用すると、何がどこに書かれているのかを採用担当者に理解してもらいやすくなります。
スキル・活かせる知識
パソコンスキル、語学力、ビジネススキルについて、箇条書きや表などを使ってまとめます。募集職種にも活かせる業務上のスキルがある場合は、併せて書き添えておきましょう。
資格・免許
「この企業でないといけない理由」を伝えます。転職理由と矛盾が出ないように気を付けてください。「前職を退職した際の問題点が、応募先企業であれば解決できる」という一貫性が大切です。
退職理由・転職理由
退職理由や転職理由は、必ずしも職務経歴書に書かなければいけないものではありません。しかし、面接では聞かれることになるため、志望動機につながる前向きな退職理由については考えておいてください。
職務経歴書の書式・フォーマット
職務経歴書には、決まった書式がありません。だからこそ、それぞれの応募者の個性やスキルを見られる機会であるともいえるでしょう。
年代別に職務経歴を記す「編年体形式」と、キャリアの内容ごとにまとめて職務経歴を説明する「キャリア体形式」のどちらを選んだほうがいいかは、その人のキャリアによって変わります。
安易に既存のテンプレートを使うのではなく、意識的に自分のキャリアに合った職務経歴書の形式を選択することが大切です。
転職活動を行う人にとって必須となる書類が職務経歴書です。
まずは職務経歴書の役割や基本的な記入項目について理解を深めてください。
そもそも職務経歴書にはどのような内容を書くべきなのか、そしてどのようにExcelを活用していけばいいのかについてご紹介します。
職務経歴書とは、履歴書とは異なり、自分がその会社に必要な人材であるかどうかをアピールする大切な書類で、文字数も多くなることが一般的です。
職務経歴書を送る前のチェックポイント
✓誤字、脱字はないか
✔日付、氏名を忘れずに記入したか
✔入退社した年月日に間違いはないか
✔企業名を略称ではなく正式名称で記載しているか
✔西暦と和暦が混在していないか
✔見出しや箇条書きなどを使った見やすいレイアウトになっているか
✔理解しづらい文章や長すぎる文章がなく、簡潔でわかりやすいか
✔フォーマットが崩れている箇所はないか
✔履歴書の内容と矛盾する記載はないか
✔有効期限の切れた資格を記載していないか
✔資格取得日に間違いはないか
✔資格名は略称ではなく正式名称を記載しているか
✔事実を書いているか(前職の年収、職歴、経験業務、保持資格など)
✔休職期間中に業務を行っていたと誤認されるような記載をしていないか
✔(データで送る場合)印刷したときにフォーマットが崩れたりA4に収まらなかったりすることはないか